株式会社 酒商山田

賀茂金秀 新酒直汲み

11月21日、金光酒造さんへ伺ってきました。その時にお願いしていました「賀茂金秀」純米しぼりたて直汲みが入荷しています。もろみの時からの爽快な香気がそのままやってきました。直汲みは搾って間もなくの瓶詰めのため、そのガスをふくんだぴちぴち感が強調されます。そしてアルコール度数も17.2%と少し高めで飲み応えがあり、レギュラーのしぼりたてとひと味違った趣があります。お酒はその青リンゴ様の爽快・新鮮な香りにインパクトがあり、口の中一杯に広がって鼻へ通り抜けて鮮烈な余韻を残します。開栓直後は固くてシャープなキレの印象ですが、時間が経って香りのベールがのくと、ほのかな甘さが顔を見せます。お米は八反錦なのですが、ご存知のように今年の米は硬いとのことですから、これをうまく使いこなしで造られた金光杜氏の技のみせどころのように思います。
この後には特別純米の新酒が出てきます。もろみではこのしぼりたてより華やか、リンゴが少し熟して甘くなったといったイメージの香気でした。こいおまちが代名詞でしたが、今年から麹・雄町、掛・八反錦に変えられました。昨年より蒸しを変えてそれが理想の状態に近づいた時、金光酒造では雄町がその蒸しに一番マッチするとのことで、今年は雄町をベースにしていくとのことです。そして酵母も香り系の酵母を使わずに、純米吟醸も特別純米に使用するものと同じにしていくとのことでした。今春に出された130周年記念の雄町を使った特別純米の出来が良かったので(あれはいいお酒でした)、その酒質を目指すということで決断されました。新しい商品も考えられているようで、これからのお酒にも注目していきたいと思います。
お話を聞いていて金光さんは物静かに語られますが、内に闘志を秘めておられる感じです。時々垣間見える負けず嫌いなところが、お酒を進化させていく原動力のように思います。
改めて、新酒直汲みいいですね。金光さんおいしいお酒ありがとうございます。