株式会社 酒商山田

御幸松の移設

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昭和45年までは当店から直線距離で約100mのところに「御幸松の石碑」と松が植わっていました。
「御幸」とは、上皇、法皇、女院の外出を敬って言う場合の言葉で、「天皇陛下がお出かけになる」ことをい指します。

明治18(1885)年に明治天皇が呉や倉橋島を船で視察するために宇品を訪れた際の行幸(御幸)に付けられ、そのとき植樹された松が「御幸松」です。
その時にお通りになった道が「御幸道路」。
宇品には「御幸○○丁目」という地名が沢山あり、また当店から一番近いバス停が「御幸松」です。
また宇品海岸には「御幸松公園」があります。

昭和45年の海岸通り拡張の際に、宇品にある「千田廟公園」に移設されましたが、20数年前の広島南道路(道幅90m)の建設案が持ち上がったころ、宇品海岸にあった「御幸松の石碑と御幸松をもとの場所に移す」という地元と国土交通省(現在)の覚書が交わされ、今回の広島南道路開通に合わせて元あった場所の近くに戻ってきたものです。

この御幸松の復帰に関しては、私の父が関係していたものであり、また父の他界を受けて、近隣町内会長と共に準備を進めてきたものです。

南道路建設により、立ち退きを余儀なくされた親しい元町内会の皆さん、父に想いを馳せながら、移設を見守りました。

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