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衰え?その2

遅ればせながら、広島県のきき酒競技会結果報告です。1審点数1桁、そして2審のマッチングは15点すべてあわせたので自身の目標は達成しました。しかし、上には上がいるもので、1審、2審とも0点のパーフェクトは出るは、マッチングすべて正解は6人もいるわでなんとか入賞圏内にとどまったというところです。年々レベルは上がるのと、中国大会に比して、お酒の差が大きかったのでわかりやすかったのかもしれません。来年も中国大会へは出場できそうですから、またチャンスをもらったと思っています。

衰えはない!とは言い切れず、最小限に踏みとどまっているといった感触です。1週間後に風邪をひいてがたがたになったので、いい体調のうちに臨めたのはありがたかったです。

節制と訓練で確かに感覚は鋭くなっていくのではないでしょうか。今回は甘みの強弱がある程度の判断基準になったように、スイーツと呼ばれるものを食すのを控えると、甘さに対しての感じ方が敏感になったように思います。珈琲や緑茶も控えておけばもっと香りに敏感になったでしょうか? 自分の好きな香味にこそ弱点があり、そこが鈍感になりがちで、節制と訓練はやはり必要なことはよくわかりました。また機会があれば、差の少ないお酒の並びで結果を出したいと思っています。

 

 

10月のひやおろし

先週、10月より発売のひやおろし、「貴」と「七本鎗」を同時に飲む機会がありました。

9月の前半までに発売されるものが多い中、1か月待って発売されるひやおろしは、気候が過ごしやすくなる時季となるために「日本酒飲みたい」という欲求により応えてくれます。どちらのお酒も定番商品との違いを意識して、ひやおろしらしい、若さを残す部分と熟成を進める部分の特徴のよく出ているお酒でした。

「貴」の方は含んだ時から落ち着いた香りで熟を意識した印象で、スムースに入ったあとにじわーっと旨みがのってきます。全体の流れの中での後半部分の印象が強いので、飲みごたえのあるタイプに感じました。

「七本鎗」は爽の香りを残して、口当たりやさしくきれいに入ってきます。この優しい旨みが心地よく舌の上を回っていく感覚が長く続きますので、上品な印象が残りました。数年前はもう少し熟成を進めておられたように記憶していますが、個人的には今年のようなタイプの方が嗜好に合います。

1か月の熟成は、微妙な差かもしれませんが何か+αを生み出すように思います。

衰え?

ひと月ほど前になりますが、日本酒造組合中央会中国支部主催の、中国5県きき酒競技会に出場してきました。結果は32名中の15位。ここ数年は入賞圏内にいたので残念な結果に終わりました。事前に準備はしていくのですが、いまひとつ手応えなく不安を残していました。1審の標準順位でくずされ、2審のマッチングは15点のお酒を、下位は合わせるも2-8位の順位の入れ変えの差が大きかったのが敗因です。全体で15種のマッチングすべて合った人はいなかったので、むつかしい並びのお酒だったのでしょうが、自分自身の差の検出があいまいで、はっきり識別できたという自信がありませんでした。これは年齢を重ねることによる衰えなのかと不安に陥っています。

できることなら、来年もチャレンジしたいと思っています。そのためには10月に行われる広島県の予選をクリアしなくてはなりません。まだやれるのか、それとも衰えたのか試してみたいので1か月先を見据えた準備をしていこうと思っています。節制と訓練で味覚と臭覚の細胞は1か月である程度は入れ替えることは可能といわれています。これは信じたい。また少し体に負荷をかけて体力をつけていく、これは今まで自分でやってきたことです(あまりきき酒には関係ないかもしれませんが)。また、最近は1審で点数を食らうので、吟醸香を良くとるか、どの程度までが老ねてないかとか、香りが多少気になっても味がよく調和がとれているかどうか、失敗パターンを現物と照合してシュミレーションしておく必要もあるでしょう。

さて、色々な欲を抑えてどこまで上げていくことができるのでしょうか。目標は、順位はともかく1審点数は1桁(少ない方が良い)、2審の0点(マッチングをすべて合わせること)です。

そうすれば結果もついてくると思います。

薫る日本酒選手権

薫る日本酒選手権、私たちもブラインドできき酒をしてみました。短時間だったので1つのお酒を2回だけきき酒しての判断です。判断基準は「薫る」ということで香りが新鮮ではっきりとわかりやすいもの、そして味との調和がとれているものを意識しました。私の1番は品番➆、点数は9.5「而今」純米吟醸雄町でした。口に含んでからの広がる華やかさは心地よく、甘いだけでない酸を感じる香りもありジューシィさを感じます。味わいは少し甘みがあって豊かで、やはり酸味との調和が良く、きき酒だけじゃなく飲みこんでしまいたいと思えるお酒でした。-0.5点は立ち香がちょっとだけ生熟成を感じたから(好みの問題ですいません)。しかし逆を返せば、火入れ酒で生の状態と変わらない、きわめて近い香味であることですから欠点にはならないと思います。

そこで、今期の造り最初に伺った木屋正酒造さんのテーマを思い出しました。

「純粋さを追及しお酒を洗練させる」 お酒を生み出すのは麹菌と酵母、この二つの微生物に純粋な環境を整えてあげることでお酒が洗練される。酒蔵特有の菌が作用してその蔵独特の複雑味を醸し出すことは確かだが、時に人間が制御できないくらいに増えてしまってお酒に悪影響を及ぼすことがある。これをなんとかなくせないか?いろいろな取り組みをしてきたが今年は無くすことのできる手応えを感じている。(大西さんの文章要約)

といった内容でした。きっと今のお酒には手応えを感じられていると思いますし、また次の造りのテーマも考えておられるでしょう。

さて、選手権の話にもどりますが、お酒の9種はそれぞれに個性があって、人それぞれに嗜好の違いもあるので順位はあまり気にしないようにしましょう。また、短時間での判断ですから飲み会をしたあとで「たくさん飲める選手権」をやれば、違った銘柄が浮上してくるように思います。いただいたコメントは鋭い感性を持たれたものや、「生ハムと一緒に飲みたい」というようなご意見ももらっており、私たちも勉強させてもらいました。

 

賀茂金秀 秋の便り

本日、「賀茂金秀」特別純米 秋の便り(ひやおろし)が発売されます。すでに先行で試飲をしていますが、ひやおろしを意識した酒質設計がよくできています。定番の特別純米はガス感があり果実香もはっきりして、常にフレッシュで飲み口のよいお酒となっています。一方、秋の便りはガス感はなく香りも穏やか(老香はない)、厚みある口当たりでヴォリュームをもたせています。以前は古酒で出されたこともありますが、このお酒は25BY100%。お燗でも対応できそうです。定番商品とイメージを変えてこの時期にこのお酒、金光酒造さんらしい良い便りをいただきました。

同様に、らしさのあるのが「美和桜」特別純米ひやおろし。早期に出すことを意識して、貯蔵方法(温度)に工夫をするそうです。広島吟醸酵母使用ながら、その華やかさを抑えた香りの処理がよくできていると感じます。雄町米の特性と適度な熟成で重厚さを出している、ひやおろしの良さがわかるお酒です。

ひやおろしは蔵ごとに考え方、酒質設計があり色々楽しませていただいております。

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