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◎ 2010 年 4 月

金光酒造130周年記念酒

今年創業130周年を迎えられる金光酒造さん、一つの生業をこれだけ永く続けてこられたことは立派なことで、ほんとうに頭の下がる思いです。いろいろ困難な経験をされたきたことと思いますが、最大のピンチがあったと聞いております。第二次世界大戦前後のお話だったようですが、黒瀬に2件ある酒屋を1件に絞るという状況に立たされたそうです。最終的には「くじ」で決められたとか。2分の1の確率を切り抜けてこられ今があるわけですが、残るべき蔵として後世に伝えていくという使命を持っておられるからでしょう。
その節目のお酒は、またこれからのスタートを飾るにふさわしいお酒だと思います。同じ雄町米の純米吟醸の華があるのに比べて、香りが心地よく馴染んでくれます。同じ特別純米のこいおまちに比べると、やはり味に幅と深さがあって楽しめます。現杜氏の金光秀起さんは5代目、また6代目へつないでいけるようにご活躍を期待していますし、応援をしていきたいと思っています。

きき酒競技会

昨日、広島県酒造組合の春季きき酒競技会に参加してきました。結果は8位、オリンピックでいうとぎりぎり入賞というところ。上にはいきたいのですが、今の力からすれば妥当なところだと思っていますから納得はしています。優勝は宝剣の土井鉄也さん。2年連続2位だったので「今回は絶対獲る」と誓ってきたとのことで見事に結果を出されました。すごいですね、おめでとうございます。
納得、というのは理由があり、苦手の部分のお酒で試されているからです。春の大会は不振が続き、昨年から少し手ごたえを感じるようになったので、自分としてはここまで持ってこれたと思っています。
自分のお酒の好みとしては、香り系が好きなのですがそこに落とし穴があるようです。リンゴ様の香り、バナナ様の香り、さらにトーンの高い香り、というように香りの種類も多種なのでこれを分析するところに弱点があります。香りが交じり合った時に最も特徴的なものを理解し、さらに時間が経ったときにそれを再現していく作業はとても困難です。それに味わいの要素、とくに甘さの強弱がからむとさらに大変。疲れた時に甘いものが欲しくなるのは甘味に対するセンサーが下がるので、自身が同じ状態で判断することはむつかしくなります。
この落とし穴は昨年のきき酒の研修で学んだのですが、克服方法として日々の食生活を改善していくようにしています。「好きなものを控える」、実践しているのは、濃厚なケーキ類、チーズは食べない、パンにバター・ジャムは塗らない等。「味覚の細胞は2週間で入れ替わり、嗅覚の細胞は1ヶ月で入れ替わる」そうです。つまり、訓練することできき酒の能力は向上するということですから、節制をしながら技術を磨いていきたいと思っています。

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